11/6まで開催中の
ヨコハマトリエンナーレ2011。
前回、メイン会場である横浜美術館について
ざっくり書きましたが、
今回はもうひとつのメイン会場、日本郵船海岸通倉庫(BankART NYK)について
サポーター目線でお届けしたいと思います。
実は、個人的には、BankARTのほうがおすすめです!まず、これから行かれる方。
横浜美術館と両方行かれる方は開館後すぐのBankARTからまわることをおすすめします。
横浜美術館→BankARTという順番でまわる方が多く、
朝から美術館のチケット売場は大混雑です。
チケットは事前購入をおすすめしますが、やむを得ず当日券になさる場合は
BankARTからどうぞ!
ちなみにチケットは
OPEN YOKOHAMA 2011 インフォメーションデスクでの
購入が便利です。
BankART最寄りの馬車道駅にもカウンターがありますよ☆
BankARTは美術館からの無料シャトルバスが来る12時過ぎまでは
わりとゆったりしています。
馬車道駅から海岸通へ出て、この看板が左手に見えたらそこが会場です。

展示は1F〜3Fまであります。階段の他、エレベーターも使用できます。
(階段、結構長くて3Fまで一気にあがるのはきついです。。。)
チケットチェックは2回。1Fの展示入口と2〜3Fに上がる階段の下です。
床に動線が矢印で示されていますので、そちらを見ながら進んでください。
1Fの展示入口に入る前に、こちらの2作品が見られます。


これらは2〜3Fまでつながりがありますので、チェックしておいてください。
1Fでチケットを見せたらまず、右手側にご注目。

こちらはイェッペ・ハインのスモーキングベンチという作品です。
座るとこんなふうになります…

が、こちらはほとんどの場合予約が必要です。入ったらすぐに予約しましょう。
結構な時間がかかるかもしれませんが、2〜3Fを見てから戻ることもできます。
今回やっと座ってきましたが、本格的に煙たくてなかなか面白いです。
煙が消えた時、正面の鏡に映る笑顔の自分自身がアートの一部です!
1Fの中央ではカバさんがお出迎え。
しかし…乾燥して結構悲しい姿になりつつあります。。。


作家はでワール&ジッケル。現地制作2日間程で作ったそうです。
左奥の黒いカーテンの中にはカールステン・ニコライの作品があります。

光が霧の中でゆったりと動く様は、ほんとうに美しいです!!
右奥には砂山にスプーン。

スクリーンの映像をじっくり見ていただくと、意味がわかって楽しいと思います。
ここまでで1Fは終了。2Fへ上がります。
と…2F作品は撮影禁止との案内が!!
いつからこうなってしまったんでしょうか…ちょっと寂しいですね。。。
そして前回ほとんど2Fの写真を撮っていませんでした…
そんな中から1枚。ミラーのパスル、イスラエルの形をしています。
しかしある場所だけ空白になっています。

そこはエルサレム。天井に写る光をご覧ください。
ぽっかりと穴の空いたイスラエル。
こちらはミルチャ・カントルの作品です。
同じ場所の壁には聖なる花という作品も展示されています。
こちらは万華鏡のように美しい作品ですが、写っているのはライフル銃なのです。
作品を通して、平和について考えさせられます。
右奥には落合多武さんの作品が。
映像では可愛らしい猫が遊んでいます。
元気な黒猫2匹は
関内の猫カフェ・Miysisの猫ちゃんです。
あとの2匹、ロシアンブルーと長毛の猫はちょっとおじいちゃんのようで、
ゆったり遊んでます。
猫はどこにいるのかなぁ?と思いながら、展示をご覧ください♪
壁のドローイングは実際にある建物などです。
2F入口部分は他にもリナ・バネルジーの「お前を捕まえてやるよ、おじょうちゃん!」
(オズの魔法使いの台詞からタイトルがつけられたそうです)や、
言葉遊びができる作品がありますので、そちらもお楽しみに。
2F奥は昨年のカンヌでパルムドールを受賞したアビチャッポン・ウィーラセタクンの
映像・写真作品が見られます。
個人的にはI'm still breathing(だったかな?)が躍動感溢れていて好きです。
更にいちばん奥にはスーザン・ノリーのトランジットという映像作品があります。
最後に神人(かみんちゅ。沖縄の霊媒師のような存在)の言葉が。
こちらも色々なことを考えさせられます。
そこまで見たら、さぁさぁ!お楽しみの3Fです♪
こちらはおすすめ作品がいっぱいなのです。
ピーター・コフィンの作品。カラフルなフルーツの3D透視画像が飛んできます!

倒れた森。スケールに圧倒されます。

覗き見も忘れずに♪

写真NGの野口里佳さんの作品「人と鳥」。
こちらは人が鳥にとまっているような写真達です。
鳥はその先まで飛べるけど、人には限界がある、というメッセージも込められています。
3Fの途中にはこんな部屋が。

何もない部屋?
いいえ。ちゃんと中には作品が…

個人的にはかなりMAGIC HOUR(今回のヨコトリのテーマ)な作品だと思います!
実際この部屋の監視に入った時、なかなか部屋に入ってこない方もいらっしゃいましたが
入口からは見えないようになっているこの作品。
ぜひ足を踏み入れてみてください♪
シガリット・ランダウというイスラエルの女性アーティストの2作品。

有刺鉄線を死海の塩で結晶化させた立体作品と、
作家自らが500個のスイカ(スイカはイスラエルの名産品)と共に死海に浮かぶ映像作品。
ただ美しいだけでなく、痛みを伴う美しさを表現しています。
(死海に浸かると、それだけでピリピリと肌が痛むそうです…)
日本語のタイトル「死視」=Dead see、Dead sea(死海)にかけられています。
長くなりましたが、いよいよ最後の2作品。どちらも絶対に見てほしいんです!!
ジュン・グエン=ハツシバの、
「呼吸することは自由:12,756.3 日本、希望と再生」
ベトナム人の父と日本人の母を持つ作家。
東日本大震災の被災地へ思いを馳せながら、作家や横浜とホーチミンの市民が
走ることで桜の花を咲かせるというインスタレーション。
実はこの作品にランナーで参加しました!
6月の暑い日、GPSを装着して決められたルートを走りました。
この作品の花ひとつひとつは、その軌跡なんです。

この画面になったら、ベンチにある双眼鏡で作品をご覧ください。
バックに地図が見えます!
以前目にしたジュンさんのインタビューで、
「ランナーにとっては走ったこの2〜3時間がMAGIC HOURだったのではないか」
という言葉がありました。まさにそんな感覚です。
そんなランナーの気持ちも伝わればいいなぁと思うのです。
ちなみにこのプロジェクトは地球の直径を走るまで続くそうです。
最後はクリスチャン・マークレーの
「The Clock」。
最後であり、最高の作品です。
(正直、チケット代払ってこの1作品だけ見てもいいと思うくらい…)
ベネチアビエンナーレの最高賞である金獅子賞を受賞した本作。
時計や時間にまつわる映画のシーンが、24時間つながれています。
上映されているのは、今のこの時間。会場のリアルタイムと同じ時間なんです。
皆様に見ていただきたいですが、映画好きな方や映像に携わる方は特に必見です!
映像のつなぎだけでなく、音のつなぎも素晴らしいです。
時間の許す限り、ソファに座ってゆっくり楽しんでください!
ちなみに
24時間上映会もあります…行きたいけど体力が。。。
最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。
「やっぱり現代アートはわかりにくい」という声をちらほら耳にしたので、
自分のサポーター経験を元にBankARTをご紹介しました。
作家の意図やタイトルの意味を知っておけば、ちょっとわかるかも。
ちょっとわかれば、もうちょっと楽しめるかも。
やっぱヨコトリ行ってみようかな?(もう1回行ってみようかな?)
そんな気分になっていただけたら嬉しいです。
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