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2011年10月25日

サポーター目線で!BankARTの歩き方

11/6まで開催中のヨコハマトリエンナーレ2011
前回、メイン会場である横浜美術館についてざっくり書きましたが、
今回はもうひとつのメイン会場、日本郵船海岸通倉庫(BankART NYK)について
サポーター目線でお届けしたいと思います。

実は、個人的には、BankARTのほうがおすすめです!

まず、これから行かれる方。
横浜美術館と両方行かれる方は開館後すぐのBankARTからまわることをおすすめします。
横浜美術館→BankARTという順番でまわる方が多く、
朝から美術館のチケット売場は大混雑です。
チケットは事前購入をおすすめしますが、やむを得ず当日券になさる場合は
BankARTからどうぞ!

ちなみにチケットはOPEN YOKOHAMA 2011 インフォメーションデスクでの
購入が便利です。
BankART最寄りの馬車道駅にもカウンターがありますよ☆


BankARTは美術館からの無料シャトルバスが来る12時過ぎまでは
わりとゆったりしています。
馬車道駅から海岸通へ出て、この看板が左手に見えたらそこが会場です。

20111019_bankart1.jpg

展示は1F〜3Fまであります。階段の他、エレベーターも使用できます。
(階段、結構長くて3Fまで一気にあがるのはきついです。。。)
チケットチェックは2回。1Fの展示入口と2〜3Fに上がる階段の下です。
床に動線が矢印で示されていますので、そちらを見ながら進んでください。


1Fの展示入口に入る前に、こちらの2作品が見られます。
20111018_bankart2.jpg
20111018_bankart3.jpg
これらは2〜3Fまでつながりがありますので、チェックしておいてください。


1Fでチケットを見せたらまず、右手側にご注目。
20111018_bankart6.jpg
こちらはイェッペ・ハインのスモーキングベンチという作品です。

座るとこんなふうになります…
20111018_bankart7.jpg
が、こちらはほとんどの場合予約が必要です。入ったらすぐに予約しましょう。
結構な時間がかかるかもしれませんが、2〜3Fを見てから戻ることもできます。

今回やっと座ってきましたが、本格的に煙たくてなかなか面白いです。
煙が消えた時、正面の鏡に映る笑顔の自分自身がアートの一部です!


1Fの中央ではカバさんがお出迎え。
しかし…乾燥して結構悲しい姿になりつつあります。。。
20111018_bankart4.jpg
20111018_bankart5.jpg
作家はでワール&ジッケル。現地制作2日間程で作ったそうです。


左奥の黒いカーテンの中にはカールステン・ニコライの作品があります。
20111018_bankart8.jpg
光が霧の中でゆったりと動く様は、ほんとうに美しいです!!


右奥には砂山にスプーン。
20111018_bankart9.jpg
スクリーンの映像をじっくり見ていただくと、意味がわかって楽しいと思います。


ここまでで1Fは終了。2Fへ上がります。
と…2F作品は撮影禁止との案内が!!
いつからこうなってしまったんでしょうか…ちょっと寂しいですね。。。

そして前回ほとんど2Fの写真を撮っていませんでした…
そんな中から1枚。ミラーのパスル、イスラエルの形をしています。
しかしある場所だけ空白になっています。
20111018_bankart10.jpg
そこはエルサレム。天井に写る光をご覧ください。
ぽっかりと穴の空いたイスラエル。

こちらはミルチャ・カントルの作品です。
同じ場所の壁には聖なる花という作品も展示されています。
こちらは万華鏡のように美しい作品ですが、写っているのはライフル銃なのです。
作品を通して、平和について考えさせられます。


右奥には落合多武さんの作品が。
映像では可愛らしい猫が遊んでいます。
元気な黒猫2匹は関内の猫カフェ・Miysisの猫ちゃんです。
あとの2匹、ロシアンブルーと長毛の猫はちょっとおじいちゃんのようで、
ゆったり遊んでます。
猫はどこにいるのかなぁ?と思いながら、展示をご覧ください♪
壁のドローイングは実際にある建物などです。


2F入口部分は他にもリナ・バネルジーの「お前を捕まえてやるよ、おじょうちゃん!」
(オズの魔法使いの台詞からタイトルがつけられたそうです)や、
言葉遊びができる作品がありますので、そちらもお楽しみに。


2F奥は昨年のカンヌでパルムドールを受賞したアビチャッポン・ウィーラセタクンの
映像・写真作品が見られます。
個人的にはI'm still breathing(だったかな?)が躍動感溢れていて好きです。

更にいちばん奥にはスーザン・ノリーのトランジットという映像作品があります。
最後に神人(かみんちゅ。沖縄の霊媒師のような存在)の言葉が。
こちらも色々なことを考えさせられます。


そこまで見たら、さぁさぁ!お楽しみの3Fです♪
こちらはおすすめ作品がいっぱいなのです。


ピーター・コフィンの作品。カラフルなフルーツの3D透視画像が飛んできます!
20111018_bankart11.jpg

倒れた森。スケールに圧倒されます。
20111018_bankart15.jpg

覗き見も忘れずに♪
20111018_bankart14.jpg

写真NGの野口里佳さんの作品「人と鳥」。
こちらは人が鳥にとまっているような写真達です。
鳥はその先まで飛べるけど、人には限界がある、というメッセージも込められています。


3Fの途中にはこんな部屋が。
20111018_bankart13.jpg
何もない部屋?
いいえ。ちゃんと中には作品が…

20111018_bankart16.jpg
個人的にはかなりMAGIC HOUR(今回のヨコトリのテーマ)な作品だと思います!
実際この部屋の監視に入った時、なかなか部屋に入ってこない方もいらっしゃいましたが
入口からは見えないようになっているこの作品。
ぜひ足を踏み入れてみてください♪


シガリット・ランダウというイスラエルの女性アーティストの2作品。
20111018_bankart17.jpg
有刺鉄線を死海の塩で結晶化させた立体作品と、
作家自らが500個のスイカ(スイカはイスラエルの名産品)と共に死海に浮かぶ映像作品。
ただ美しいだけでなく、痛みを伴う美しさを表現しています。
(死海に浸かると、それだけでピリピリと肌が痛むそうです…)
日本語のタイトル「死視」=Dead see、Dead sea(死海)にかけられています。


長くなりましたが、いよいよ最後の2作品。どちらも絶対に見てほしいんです!!

ジュン・グエン=ハツシバの、「呼吸することは自由:12,756.3 日本、希望と再生」
20111018_bankart18.jpg
ベトナム人の父と日本人の母を持つ作家。
東日本大震災の被災地へ思いを馳せながら、作家や横浜とホーチミンの市民が
走ることで桜の花を咲かせるというインスタレーション。

実はこの作品にランナーで参加しました!
6月の暑い日、GPSを装着して決められたルートを走りました。
この作品の花ひとつひとつは、その軌跡なんです。

20111018_bankart19.jpg
この画面になったら、ベンチにある双眼鏡で作品をご覧ください。
バックに地図が見えます!

以前目にしたジュンさんのインタビューで、
「ランナーにとっては走ったこの2〜3時間がMAGIC HOURだったのではないか」
という言葉がありました。まさにそんな感覚です。
そんなランナーの気持ちも伝わればいいなぁと思うのです。
ちなみにこのプロジェクトは地球の直径を走るまで続くそうです。


最後はクリスチャン・マークレーの「The Clock」
最後であり、最高の作品です。
(正直、チケット代払ってこの1作品だけ見てもいいと思うくらい…)

ベネチアビエンナーレの最高賞である金獅子賞を受賞した本作。
時計や時間にまつわる映画のシーンが、24時間つながれています。
上映されているのは、今のこの時間。会場のリアルタイムと同じ時間なんです。

皆様に見ていただきたいですが、映画好きな方や映像に携わる方は特に必見です!
映像のつなぎだけでなく、音のつなぎも素晴らしいです。

時間の許す限り、ソファに座ってゆっくり楽しんでください!
ちなみに24時間上映会もあります…行きたいけど体力が。。。


最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。
「やっぱり現代アートはわかりにくい」という声をちらほら耳にしたので、
自分のサポーター経験を元にBankARTをご紹介しました。

作家の意図やタイトルの意味を知っておけば、ちょっとわかるかも。
ちょっとわかれば、もうちょっと楽しめるかも。
やっぱヨコトリ行ってみようかな?(もう1回行ってみようかな?)

そんな気分になっていただけたら嬉しいです。


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